Introduction
ここでは,物理を学ぶ上では必須となる,偏微分について,図を用いてわかりやすく解説する。 決して難しい概念ではないため,構えずにリラックスして読んでもらいたい。
微分の復習
『微分の基礎』で説明したように,変数
と書かれた。ここで
である。
偏微分
では,
と書かれる。このように,1次までの近似(
で定義され,関数
で,

具体的な関数において,一方の変数を固定するということをイメージするには,図2を見てもらいたい。
図では

偏微分のこれらの議論は,変数が2つの場合だけではなく,任意の個数の場合にも一般化される。独立変数が
となる。
表記
偏微分の表記として,
のように,固定する変数を明示されることもある。特に,独立変数の取り方が自明でない場合などには,このような表記がなされることが多い。
また,省略形として
などが用いられることもある。二つ目以降は二階の偏微分であり,最後の例は
例題
最後に,いくつか例題を示そう。
Q.
A.
Q.
A.
Q. 最後に,図1にある
の正当性を示そう。
A. これらの二つの関数の差を取ると
となり,
と微小量の2次の違いしかなくなるため,1次近似(