ウランガラス

Features:

おもちゃ

ウランガラスは、微量のウランを混ぜたガラスで、紫外線を当てるときれいな緑色に発光することから、アクセサリーやコップなど、様々なものに用いられてきた。

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解説

受け取った光の波長よりも長い波長の光を発するウランガラスの見せる発光現象は、いわゆる蛍光と呼ばれる現象で、その名の通り蛍光灯など身近に利用されているものである。

蛍光の仕組みは、物質中の電子によるエネルギーのやりとりの仕方に由来する。光が物質に入射すると、それを構成する原子中の電子が光のエネルギーを吸収してより高いエネルギー状態に移るのだが、何らかの形でエネルギーを吐き捨てて、元のより安定なエネルギー状態に戻ろうとする。

通常の物質は、このエネルギーを熱運動などによって消費するのだが、蛍光物質はそれを再び光として放出する。しかし、この場合も元々受け取ったエネルギーの一部は熱エネルギーとして消費されるため、放出されるエネルギーは受け取ったものより小さくなる。そのため、入射した光より長い波長の(振動数の小さな)光が発せられる。

光のエネルギーと波長の関係

光のエネルギー$E$は、Planck定数$h$と振動数$\nu$を用いて、$E=h\nu$と与えられる。振動数$\nu$と波長$\lambda$の関係は$\lambda=c/\nu$である。ここで$c$は光速。

このプロセスで、吸収する光の波長および発する光の波長というのは物質によって異なり、ウランの場合は、吸収する光の波長が紫外線、放出する光の波長が、550nmの黄緑色の光に対応しているのである。

この説明からもわかってもらえると思うが、この発光現象はいわゆる放射線(高速のヘリウム原子核($\alpha$線)や、電子($\beta$線)あるいは、波長1pm(=0.001nm)以下の光 ($\gamma$線)など)とは関係がないし、現在製造されている商品に用いられているウランはごく微量であるため、健康被害のリスクを心配する必要はない。


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