七夕は、織姫と彦星が一年に一度会う日であると言われている。しかし、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)の間には、実際には16光年も距離がある。つまり、可能な限り速く移動してもその間の距離を移動するのに16年かかるわけだ。お互いが光速で移動して中間で会うにしても、最低でも8年はかかる。
さらに、互いの間に大きな距離があるだけでなく、織姫ことベガは地球から25光年、 彦星ことアルタイルは17光年離れている。つまり、地球から見えるベガは25年前の姿、 アルタイルは17年前の姿であり、お互いの姿に8年のずれがあるのだ。
だから二人は会えるはずがない、なんて茶化すわけではない。
二つの星の、別々の時代に放たれた過去の姿が、同じ夜空のスクリーンに映し出されるというのはなんとロマンティックな事だろうか。ベガとアルタイルだけはない。夜空に映るすべての星は、すべて違う時に放たれ宇宙の過去の姿なのだ。
普段は星空のことなど意識しない人も、七夕というのをきっかけにして、たまにはそんなことを考えながら星を眺めてみるのも良いかもしれない。
銀河 宇宙 七夕 星空 天体 逸話