熱したフライパンの上で水がすんなり蒸発せずに躍る様子を見たことがある人は多いだろう。これは、水とフライパンの間に蒸発した気体の層が生じ、その層が水の残りへの熱伝導を妨げるために起こる。
液体と固体の間に液体が蒸発して気体の膜を作る状態を膜沸騰というが、それにより液体の蒸発が妨げられる上のような現象を一般にライデンフロスト現象(Leidenfrost phenomenon)という。これはこの現象を論じたヨハン・ライデンフロスト(Johann Leidenfrost)の名に由来する。
このとき、液体と物体の接触が少ないため、液体がよく滑りまわる様子が観察できる。
また、液体窒素に一瞬だけ手を突っ込んでも無事でいられる理由も、同じ効果に由来する。すなわち、手を入れた瞬間、液体窒素と手の接触面に気化した窒素の層ができ、それが保護膜の役割をしてくれるためである。
ただし、もちろんこれはフライパンの上の水滴と同じように、いつまでも同じままでいられるわけではないため、長居は禁物である。
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— 美しき物理学bot (@ST_phys_bot) February 18, 2023
液体窒素 液体 蒸発 気体