宇宙空間は音を伝える物質がないため,無音である。だが,2019年3月,NASAは音声化の技術によって,宇宙の画像を音楽に変換した。

画像は,2018年にハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたものが使われた。 音楽の仕掛けとしては,恒星とコンパクト銀河は短音で,渦巻銀河はより複雑な長音,また写真の上部ほど高音で,大きな星ほど大きな音といった具合に天体と音が対応付けられ,左から右に画像を読み込んで演奏されるようになっている。

下の動画が,その結果作成された音楽であるが,実に不気味な響きの作品となっている。

上述通り,この音楽は天体の持つ性質を固有な形で変換して作成したものではなく,左右上下の取り方など,極めて人為的な要素を含んだ手続きによって作成されたものであるため,宇宙が奏でる音楽を聴いているといった気分になるのは難しいが,科学的知識と技術の蓄積の成果であるハッブル宇宙望遠鏡によって得られた画像の情報を変換して得られた音楽であるということは特別なことであり,贅沢な音楽であることは間違いないだろう。


参考

銀河 音楽 宇宙 天体 NASA