Q. 火は物質の状態(固体、液体など)としては、何に分類されるでしょう?
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A. プラズマ
物質を気体からさらに高温にしていくと、原子がイオンと電子に分離し、全体として電気的に中性な電離気体状態になる。Coulomb力によって、遠く離れた部分にまで影響を及ぼすため、集団的な振る舞いをする。このような状態をプラズマといい、固体・液体・気体に続き、物質の第4の状態と呼ばれている。
電離気体をプラズマとみなすかは,文脈によって異なる場合がある。 しかし,プラズマ物理の分野で一般的に用いられる1つの基準によれば、系の典型的な大きさ$a$とDebye長と呼ばれるパラメータ$\lambda_D=\sqrt{\epsilon_0 k_B T_e / (n_e e^2)}$の間に$$a \gg \lambda_D$$の関係がある場合、その電離気体はプラズマに分類される。 ここで$\epsilon_0$は真空中の誘電率、$k_B$はBoltzmann定数、$T_e$と$n_e$はそれぞれ電子の温度と密度、$e$は素電荷である。
火がこの基準を満たすためには、摂氏約3100度以上である必要があり、それ以下の温度を持つ火は,この定義に基づく限りは厳密な意味ではプラズマとは言えない(その場合は部分的に電離した高温の気体ということになる)。
上述のような定義に従う場合,火に含まれるイオンや自由電子の密度はプラズマに分類するには小さすぎる場合もあるが、部分的に電離気体を含んでいることは確かめられる。
その他身近なプラズマとしては、雷やオーロラなどが挙げられる。さらに地球を離れれば、恒星や太陽風、星間物質などをはじめ、一般的な認識とは裏腹に、宇宙の(ダークマター以外の)全物質の大半はプラズマ状態であるとも言われている。
また、原子から電子を剥ぎ取って原子核同士を衝突させることで、恒星の核融合によるエネルギー生成を地上で再現し、クリーンで、安全で、実質的に無尽蔵の発電メカニズムを実現しようという試みが、核融合科学である。
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