我々動物の身体を形作り,生命活動の維持に不可欠な役割を果たすタンパク質は,20種類のアミノ酸によって構成されている。

今回,スペインにあるGirona Biomedical Research Institute(IDIBGI)およびPompeu Fabra University(UPF)の研究者らによって行われた新たな研究により,アミノ酸の一種であるプロリンの摂取が多いと,鬱病のリスクが高まることが示された。

プロリンは小麦や大豆にも多く含まれるが,プロリンを特に多く含むのは肉やゼラチンなどの動物の死体や,卵や乳製品といった動物の排泄物や体液である。

アミノ酸は,体内では合成できず,食事から摂取しなければならない必須アミノ酸と,体内で合成できる非必須アミノ酸に分けられる。プロリンは非必須アミノ酸であり,食事によって摂取する必要はない。

著者の1人であるFernández-Real博士は 「これらの結果は,これまで考慮されていなかったプロリンの重要性と,抑うつ気分への影響を示すものです」。 と語っており,この研究は食生活の改善による鬱病治療の可能性を示唆する。