Introduction
物理においては,例えばLie群の扱いなどで必要になる行列の列の収束や,正方行列の指数表示などについて説明する。
行列のノルムと距離
で定義される。
任意の行列
また,行列
で定める。
性質2より,行列の列
を満たすとき
である。
これを,列
行列の指数関数
行列
で定義される。
ここで,
proof
(
といった量について考える。
を定義すると
および
であり,ノルムの関係3および4(和のノルムはノルムの和以下)と5(積のノルムはノルムの積以下)を使うと
の関係が成り立つことがわかる。
□
この表現について,次のことが言える:
の関係が成り立つ。
これは次のように示せる。
ここで,1行目の2つ目の等式で二項定理を使った。 2行目の和の置き換えは次のように考えるとわかりやすい。
である。
平面上の点
と計算していく過程は(実際にはそれぞれ無限級数であるが),下図の左のように格子点を拾っていくことに対応する。
他方,式(

式(