単純ルートとDynkin図

Dr. SSS 2021/07/05 - 10:09:27 群論
はじめに

Lie代数は構造定数によってその基本的な構造が決定されるが,Cartan-Weyl基底を用いた形式では,その役割を果たすのがルートである。 そしてまた,負ルートは,単に正ルートの符号を変えたものであるから,結局のところ,適当な正ルートの集まりによって半単純Lie代数の構造が定められてしまう。 ここでは,そうした正ルートの集まりである,ルートの基本系の定義を与える(Dynkin図については準備中)。


keywords: 線形代数, Lie群, Lie代数

内容

ルートの基本系

互いに線形独立で,任意のルートを,すべて負ではない,またはすべて正ではない$l(=\dim \frh)$個の係数$(a_1,...,a_l)$によって

\begin{align} \label{eq:alpha_linear} \alpha=\sum_{i=1}^l a_i \alpha_i \end{align}

の形に表すことができるルート$\alpha_i$の集合$\Pi=\{\alpha_1,...,\alpha_l \}$をルートの基本系(fundamental system)といい,その元を単純ルート(simple root)という。


正(負)ルートと順序

基本系$\Pi$を用いて展開したとき,すべての係数が負でないものを($\Pi$に関する)正ルート,反対に,すべての係数が正でないものを負ルートという。

単純ルートは,(\ref{eq:alpha_linear})において係数のどれか1つだけが1で,それ以外はすべて0であるルートであるから正ルートである。

2つのルート$\alpha,\beta$の差が正ルートになるか負ルートになるかによって,ルートに順序を定める。 すなわち$\alpha-\beta>0$であれば,2つのルートの大小関係は$\alpha>\beta$である。




Cartan行列

ルートの基本系$\Pi=\{\alpha_1,...,\alpha_l \}$に対し,Cartan行列

\begin{align} C_{ij} = \frac{2(\alpha_i,\alpha_j)}{(\alpha_j,\alpha_j)} \end{align}

で定義する。 Killing形式非退化であることから$\det (\alpha_i,\alpha_j)\neq 0$であり,この行列は正則である。


Dynkin図

 

 


参考文献


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