古典力学 2025-08-30

Galileiの相対性原理

ScienceTime Team
14 views
Galileiの相対性原理

Galilei変換

ある慣性系$I$と,それに対し一定の速度$\bm{V}$で運動する別の基準系$I'$から見た物体の運動の関係を考える。 もし,$I$系から見て物体が原点に静止していたなら,その座標は$\bm{x}(t)=0$である。 対して,$I'$系から見た座標$\bm{x}'$は,速度$\bm{V}$で遠ざかっていくように見えるから,$\bm{x}'(t)=-\bm{V}t$となる。 これは任意の運動に一般化できるから,$I$系の座標$\bm{x}$から,$I'$系の座標$\bm{x}'$への変換は

\begin{equation} \label{eq:Galilean_transform} \bm{x}(t) = \bm{x}'(t)+\bm{V}t \end{equation}

で与えられる。

$I'$系における運動方程式を導くために(\ref{eq:Galilean_transform})を時間で二回微分すると,$d\bm{V}/dt=0$であるから

\begin{equation} \frac{d^2\bm{x}}{dt^2} = \frac{d^2\bm{x}'}{dt^2} \end{equation}

となる。 すなわち,$I$系と$I'$系で運動方程式は変わらない。

このように,ある慣性系に対し,等速直線運動する別の基準系もまた慣性系であり,その中で運動法則は同一である。 これを,Galileiの相対性原理(principle of Galilean relativity)と呼ぶ。 また,異なる慣性系同士を結び付ける変換(\ref{eq:Galilean_transform})をGalilei変換(Galilean transformation)という。 (\ref{eq:Galilean_transform})は,暗に時間の流れが不変であることを仮定して導かれているから,その前提が自明ではない場合には,それを陽に表した

\begin{equation} t=t' \end{equation}

を含めてGalilei変換と呼ぶ方が適切なこともある。

References

  • Landau, L. D., & Lifshitz, E. M. (1976). Mechanics: Landau and Lifshitz: Course of Theoretical Physics, Volume 1. 3rd ed.. Elsevier Science.
    ――(1986). 力学 (ランダウ=リフシッツ理論物理学教程). 広重 徹, 水戸 巌 訳. 東京図書.
  • 戸田 盛和. (1982). 物理入門コース1 力学. 岩波書店.
  • 米谷 民明. (1993). 力学. 培風館.